8月23日の品川区議会研修会では一般社団法人ヤングケアラー協会 代表の宮﨑成悟さん、事務局長の小林鮎奈さんにご講演いただきました。
お二人は品川区でヤングケアラーコディネーターとして活動をしていらっしゃいます。

日本でヤングケアラーの法令上の定義はまだない

ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や、家族の世話などを日常的に行っている子どものこと。
何歳までを支援の対象にするか、ケアの範囲などが議論の最中。
18歳までをヤングケアラー、30代までを若者ケアラーとも言うそうです。
先進的な取り組みをしているイギリスでは市民、政治家、専門家の間で、ヤングケアラーに関して広く認識され、国の法律に具体的な権利が定められているようです。
日本でも知られるようになってきましたが、より一層の周知と、支援体制が不足していると感じています。

ヤングケアラーの現状

障害や病気のある家族のケアをしながら家事やきょうだいの世話、昼間は学業があるため、多くのことを諦めなければなりません。
進学、友達と遊ぶこと、部活や校外授業、自分だけの時間を持つこと、自由に夢を思い描くことなど・・・相談ができても理解をしてもらえないといった場合もあります。
自己肯定感が低くなり、人生に影響が出てしまうのではないでしょうか。

小学生から大学生までを対象にした厚生労働省の調査の結果、クラスに1〜2人がヤングケアラーだということがわかりました。(もちろん自治体によりますが、大きくは変わらないそうです)

この背景には

  • 核家族化が進んだこと
  • 共働き家庭の増加
  • ひとり親家庭の増加
  • 精神疾患を持つ人の数の増加

などが挙げられます。

ケアが必要な家族への支援と、ケアをする家族(子ども・若者)へも支えになるものが必要です。

講義を受けて

ヤングケアラーの経験談やこれまでの活動から、「ヤングケアラーの周りにたくさんの支援の糸を垂らしていこう。」 という印象的な言葉がありました。
ヤングケアラーだから絶対いますぐに支援が必要とは限りません。家族のケアをしたい・続けたい、と思っているケアラーもいます。
ケアラー自身がしんどくなったり、誰かに話したいと思ったときに近くで聞いてあげられるような人やところ、オンラインなど多種多様な形で求められています。
行政や地域からもケアラーの周りにたくさんの受け皿を用意しておくべきだと思います。

品川区ではヤングケアラー・若者ケアラーのサポートLINEを開設しています。

相談窓口の充実/全ての小学校、中学校で出前授業等の啓発活動の後押し