移動教室の裏側 ― 教員の負担と持続可能な体制について
令和8年度予算特別委員会で、移動教室経費について質問しました。
移動教室は、子どもたちにとって学校生活の中でも特に印象に残る体験学習です。自然体験や集団生活を通して多くの学びがあり、教育的価値の高い取り組みだと私も感じています。
一方で、その実施の裏側では
- 行程の作成
- 宿泊や交通の手配
- 安全計画の作成
- 会計処理
など、多くの準備業務が必要です。
現在、教員の働き方改革が求められる中で、こうした業務のあり方は持続可能なのか。
また、公費と保護者負担を組み合わせて実施されるため、会計の透明性も重要なポイントです。
そこで、移動教室の財源や運営体制、教員の関わり方について確認しました。
Q&A
Q:移動教室経費の補正予算は歳入のみ計上されていますが、どのような仕組みですか。
A:
文部科学省の「学校・家庭・地域連携協力推進事業費補助金」によるものです。年度末頃から国と協議を行い、年度途中に交付額が決定します。当初予算では金額が確定しないため、最終補正予算で歳入として計上しています。
Q:保護者負担分の徴収事務には教員は関与していますか。
A:
保護者から徴収する費用は「私費会計」で管理されており、口座振替などの事務は基本的に学校の事務職員が担当しています。教員は案内などを行うことはありますが、直接徴収事務は行っていません。
Q:収支報告はどのように公開されていますか。区として統一フォーマットはありますか。
A:
私費会計は「私費会計事務処理ガイド」に基づき運用されています。決算後、保護者2名による会計監査を経て、保護者に決算報告を行います。統一された公表様式はありませんが、繰越金や未徴収金など必要な項目はガイドで定められています。
Q:行程作成や宿泊施設・交通手段の手配などは誰が担っていますか。
A:
交通手配などは旅行会社を通じて行っています。行程表は教育委員会と校長会の校外教育部が連携して作成し、学校独自の行程などについては、移動教室担当の教員を中心に学校内で検討しています。
Q:担当教員の業務時間の実態は把握されていますか。
A:
校務分掌は校長の権限のもとで決められており、学務課として移動教室担当教員の具体的な業務時間や負担については把握していないとのことでした。
Q:杉並区では移動教室の企画・手配を旅行会社へ包括委託し、教員は教育内容に専念する仕組みがあります。区として検討はしていますか。
A:
杉並区の取り組みは把握しているとのことです。業務委託は教員の負担軽減につながる可能性がありますが、教育旅行は事前学習なども含め生徒と一緒に作り上げる側面があり、負担軽減と教育の本質のバランスを考える必要があるとの答弁でした。
今回の質疑を通じて、移動教室は多くの人の準備によって成り立っていることを改めて実感しました。
子どもたちにとって大切な学びの機会を守ることはもちろん重要です。
その一方で、教員の働き方改革が進められている中、教員が担う業務の範囲が適切なのかという視点も必要だと感じています。
他自治体では、旅行会社など専門事業者を活用し、教員が教育活動により専念できる体制を整えている事例もあります。
移動教室の教育の質を高めながら、学校現場の負担をどう軽減していくのか。
子どもたちにとっても、先生方にとっても持続可能な仕組みとなるよう、引き続き様々な角度から検討していきたいと思います。