竹芝で行われた「海のそなえシンポジウム」へ行ってきました。

例年、7~8月になると必ずと言ってよいほど増加する水難事故。
夏の水難事故が増加する時期を迎える前に、事故防止策についての現状や課題、そして水辺を楽しむためのアイテムなどのご紹介がありました。

水難事故の現状

交通事故による死者数はこの30年で4分の1に減少しているのに、溺水による死者数は横ばい。
交通事故は細かく調査・検証が行われて、対応策によって減少してきているということですが、
溺水事故の検証がされていないことがわかりました。
そのため、なぜ事故が起きてしまったか現場への具体的な情報共有がされずに対応ができていないということが今、起きています。

水難事故のパターン

統計を見ると、事故の多い条件など、程度のパターンが存在するということでした。

  • 7歳と14歳で最も多く、12歳以下の溺れが多い
  • 14時ごろの発生が多い
  • 水の流れが変わるなどの自然的な要因と、転落など人工的な要因

水辺の危険について学ぶ場はあるか

小学校でも水泳の授業がありますが、水辺の危なさや事故について学ぶ時間はありますか?
担任の先生や他の教科の先生が教えることもありそうですが、知識は十分でないことも多いのではないでしょうか。
例えば、自然の要因で海辺には「離岸流」というものがあります。岸から沖へ向かって流れる海水の流れのことで、その流速は毎秒2mに達する場合もあります。こういった知識と、遭ってしまった時の対処法を知っていれば、より安全に楽しめるかもしれません。
しかしそういった専門的なことを全ての学校の先生が教えるには負担が大きく、大変です。
先生の負担軽減や、正しく知識を伝えるためには、地域のスイミングスクールや研究団体との連携で力を借りながら学ぶことが必要になると思います。

水辺を安全に楽しむためのアイテム

溺れそうになった時に助かるためのそなえや行動についてのアンケートでは約6割が「ライフジャケットの着用」と回答。しかし、実際にライフジャケットを着用したことがあるのは半数以下。海や川などの遊泳時の着用経験は15%以下だったそうです。
安全のためにライフジャケットは有効だと考えつつも、“動きずらい”、“暑い”、“持ち運びが不便”だと思います。。加えて、ライフジャケットがどこに行けば手に入るのかわからないのではないでしょうか、、

今回のシンポジウムではコンパクトなライフジャケットや、腰や手首につける浮力アイテム、着るタイプの浮力など様々な試作品の紹介がありました。

知識や実践型の訓練のような形(「背浮」など)を学んでいても、いざ自分が溺れた時にはパニックになってしまいます。アイテムの普及で、水辺をより安全に楽しむことができそうですね!

子どもから大人まで、皆さんの安全を守るために、品川区でも取り入れていけそうな提案を考えてまいります。