見えてきた課題

今回の質疑を通して感じたのは、目に見えない暴力の深刻さです。

DVというと身体的暴力を想像しがちですが、実際には精神的な支配や否定を繰り返す「モラルハラスメント」が背景にあるケースも少なくありません。しかし、外からは気づきにくく、本人も「これがDVなのか分からない」と悩み続けてしまうことがあります。

さらに、

  • モラハラ単独の件数は把握されていない
  • 加害者からの相談は極めて少ない
  • 更生支援の仕組みは限定的

といった現状も見えてきました。

被害者支援はもちろん重要ですが、加害者が変わる仕組みがなければ、問題は繰り返されてしまうという視点も必要だと感じています。

品川区の現状

● DV相談件数
令和5年度:66件(面接41件・電話25件)
令和6年度:65件(2月末時点/面接44件・電話21件)

● モラルハラスメント
単独での集計はしていない。
精神的暴力は身体的暴力と複合的に起きることが多い。

● 加害者からの相談
受け付けは可能。ただし近年は昨年1件のみ。

● 支援の取り組み
・カウンセリング相談、法律相談で対応
・ジェンダー平等推進講座でDV・グルーミングなどをテーマに啓発
・男性向け講座も実施(会場14名・オンライン17名参加)
・アーカイブ化については今後検討

区として一定の支援体制は整えていますが、認知の広がりと利用しやすさの向上が今後の鍵だと感じました。

Q&A

Q.DV相談の状況は?

A.DV相談件数は、令和5年度は66件(面接41件・電話25件)。令和6年度は2月末時点で65件(面接44件・電話21件)。

Q.モラルハラスメントの件数割合や近年の傾向は?

A.特にモラルハラスメントというカテゴリーでの集計は取っていない。ハラスメントはかなり複合して起こる内容であり、DVについても身体的暴力や精神的暴力が複合して相談を受けることが多いため、モラルハラスメントのみの集計はしていない。

Q.モラハラ加害者の相談はカウンセリング相談で受け付けているのか?

A.カウンセリング相談でも受けている。法律相談やDV相談につながることもあり、話の中でご自身の気持ちが固まってくる場合もあるため、様々なところで受けている。

Q.加害者からの相談も受けているのか?

A.加害者からの相談も受けている。ただし実際の件数はかなり少なく、近年では昨年1件、ご自身から相談があったという記録がある。

Q.港区のような加害者更生プログラム助成についての見解は?

A.加害者に関して意識や行動の変化を促す内容であり、長期間受けるプログラムとなるため、効果や取組方法について考えていく必要がある。現時点で同様の助成は実施していない。

Q.区としての支援や啓発の取組は?

A.カウンセリング相談で行動の変容を促している。また、ジェンダー平等推進講座の中で必ずDVの講座を実施している。今年度はグルーミングについての講座を実施し、男性の方も含め関心を持って参加いただいた。フォーラム等でも周知啓発に努めている。アーカイブについては業者と相談し検討していく。