不登校の児童・生徒は年々増加しており、その背景には、いじめや人間関係、学習面での困難など様々な要因があります。

今回私が取り上げたのは、その中でも近年注目されている「特定分野に特異な才能のある児童生徒」についてです。

議会図書館で『ギフテッドの光と影』を読み、高い知的能力や強い探究心を持つ子どもたちの中には、学校の学習内容や集団生活とのミスマッチによって苦しさを抱え、不登校につながるケースがあることを知りました。

ただし、今回の質疑は「ギフテッドの子どもだけを特別扱いするべきではないか」というものではありません。

国の有識者会議でも議論されているように、重要なのは特定の子どもへの特別な支援だけではなく、様々な特性を持つ子どもたちがそれぞれに合った学び方を選択できる環境を整えることです。

そこで、品川区の不登校支援の現状と、多様な子どもたちを包摂する教育環境づくりについて質問しました。

Q&A

Q.不登校の背景に、特異な才能を持つ子どもが含まれている可能性について、区はどのように認識していますか?

A.

日本では「ギフテッド」の正式な定義はなく、国では「特定分野に特異な才能のある児童生徒」という表現を用いています。

不登校の要因として特異な才能を分類する統計はないため人数の把握はできていませんが、才能と学校生活とのミスマッチによって不登校につながるケースがあることは認識しているとのことでした。

また、学校や校内別室指導、マイスクールにおいて、一人ひとりの状況を把握しながら、

  • 学年にとらわれない学び
  • 探究的な学習
  • ICTを活用した個別最適な学び

などを通じて支援を行っているとの答弁がありました。

Q.教員の理解を深めるための研修は行われていますか?

A.

令和6年度の特別支援教育コーディネーター連絡会では、自身も特異な才能を持つ大学教授を講師として招き、

  • 個々の才能に応じた柔軟な授業づくり
  • 特異な才能と発達障害の共通する困り事や見分け方
  • 特異な才能と発達障害を併せ持つ児童・生徒への対応

などについて研修を実施したとのことでした。

今後も教員向け研修動画の周知や研修を通じて、理解促進と指導力向上を図っていくとのことでした。

私は、こうした学びは特異な才能を持つ子どもだけでなく、様々な特性を持つ子どもたちへの理解にもつながるものであり、特別支援教育に関わる教員だけでなく、通常学級の教員にも広く共有していただきたいと要望しました。

Q.他自治体の先進事例を参考に、一人ひとりに合った学びにつなげる仕組みを研究してはどうでしょうか?

私は、鎌倉市で行われている「かまくらULTLAプログラム」を紹介しました。

この取組では、不登校の子どもたちが自分の特性や学び方を理解し、自分に合った学びを見つけていく支援が行われています。

品川区でも、今後検討される学びの多様化学校や現在の不登校支援に活かせる部分があるのではないかと質問しました。

A.

子どもが自らの個性や特性を理解し、自分らしい学びを見つけていくことは、個別最適な学びや自己肯定感の向上につながる重要な取組であるとの認識が示されました。

また、今後の学びの多様化学校の検討に当たっては、他自治体の先行事例も参考にしながら、品川区の実情に合った内容を検討していくとのことでした。

現在もマイスクールでは、利用開始時に心理職が面談を行い、不登校の背景や興味関心を把握した上で支援を実施しています。

また、校内別室指導でも、体験活動や校外学習などを取り入れながら、それぞれの状況に応じた支援を行っているとの説明がありました。

不登校の背景は一人ひとり異なり、画一的な支援では対応できません。

発達特性や人間関係、学習面での困難を抱える子どももいます。

大切なのは、どの子どもにも「学校に合わせること」だけを求めるのではなく、その子に合った学び方や居場所を見つけられる環境を整えていくことではないでしょうか。

国の有識者会議でも、特異な才能のある児童生徒への支援は、特定の子どもだけのための施策ではなく、全ての子どもの多様性を包摂する教育環境づくりにつながるものと整理されています。

品川区でも、マイスクールや校内別室指導、今後検討される学びの多様化学校など、多様な学びの場づくりが進められています。

子どもたちが自分らしく学び、安心して成長できる環境づくりがさらに進むよう、今後も現場の声を伺いながら取り組んでまいります。